だしソリューション vol.18 | マエカワテイスト株式会社 | 醤油の名産地播州・世界文化遺産姫路城の麓から歴史と美味しさをお届けします。

DASHI SOLUTIONだしソリューションvol.18

かつお節屋のプラントベース

●かつお節屋の創業

１９５１年、姫路の城下町で創業致しました。当時は食糧不足で配給米の時代、産地から入荷した魚節も非常に貴重な食糧でした。その魚節を削って周辺地域に配達するとすべて売り切れの状態でした。それから７０年が過ぎて世の中の環境は大きく変化しました。鰹節の相場は数倍にも上がっています。
日本の漁業・養殖業の生産量は１９８４年をピークに減少傾向が続いています。

●かつお節はアニマルベース

地球温暖化に伴う海洋の変化により漁獲資源の将来は大変厳しいものとなっています。
２００６年に発表されたアメリカの科学雑誌「サイエンス」に掲載された論文には、食用魚が２０４８年にはいなくなると記述されています。牛・豚・鶏・魚という産物はすべてアニマルベースフードに分類されます。環境が変わればこれらの食糧が枯渇していくものと予測されています。

●プラントベースの「だし」とは

アニマルベースに変わって注目されているのがプラントベースです。弊社のだし原料である魚節も植物由来の原料に転換する事が期待されています。最初に注目する原料は「しいたけ」です。乾しいたけには、うま味の素である鰹節のイノシン酸と同じ核酸のグアニル酸が豊富です。
実際、肉や魚などを使用しない精進料理にも活用されています。
現在、おいしくて健康に繋がる「濃縮椎茸だし」や「濃縮昆布だし」を開発しています。
ご期待下さい。

感謝
マエカワテイスト株式会社
前川隆嗣

Dr.Toshi(ドクター・トシ)の
ミニ講座 Vol.90

ビタミンDの再登場

ビタミンを覚えているかな。

はい、水に溶ける水溶性ビタミンと油に溶ける脂溶性ビタミンがありました。

そうだね。このミニ講座Vol.81～83でもビタミンのことを少し話したね。体の中で機能を維持するために潤滑油として働いているよ。今回は、ビタミンDについてもっと詳しく話をするね。

どんなお話しですか。わくわく！

ビタミンDは、コレステロールからできるんだよ。

えっえー、あのコレステロールですか？コレステロールがたくさん増えると、血液がドロドロとなり、動脈硬化も起こりますよね。

そうだね。しかし、実はコレステロールがホルモン、ビタミンD、胆汁酸を作っているんだよ。

そうですか。大切なものばかりですね。

ホルモンだと、例えば性ホルモンのエストロゲンやアンドロゲンなどが作られている。また、ビタミンDになる前の物質を作っている。

難しそうですね。前の物質は、何と言ったっけ？？・・・そうだ、前駆物質ですね！

よく覚えているね。シイタケには前駆物質であるエルゴステロールが含まれている。これに紫外線が当たるとビタミンDに変化するんだよ。生成したビタミンDをビタミンＤ２（エルゴカルシフェロール）というんだ。

難しい名前ですね。動物にも前駆物質がありますか？

良いところに気づいたね。動物の体では、前駆物質であるデヒドロコレステロールを作っていて、に紫外線が当たると、ビタミンＤ3（コレカルシフェロール）というビタミンDになるんだよ。

なるほど。名前が違いますが同じビタミンＤですか？

ちょっと構造が違うが、はたらきは同じなので、たくさん乾しいたけを食べるといいね。ビタミンDがたくさん摂れるね。ビタミンDの働きはどうかな？

カルシウムの吸収に関与しています。丈夫な歯や骨を作るのに重要な役割を果たしています。

そうだね。カルシウムだけでなくリンの代謝にも関わっているんだよ。

ビタミンDはどれくらい含まれているのですか？

生しいたけ（原木栽培）には、0.4µg/100gしか含まれていないが、乾しいたけには17.0µｇ/100g含まれているんだよ（日本食品標準成分表2020年版（八訂））。

随分違うのですね。熱風乾燥でもいいのですか？

紫外線がないから駄目だね。ビタミンDをたくさん摂りたいときには、調理する前に30-60分間でも乾しいたけを日光浴させるといいね。窓を開けて、直接日光に当てる方が沢山の紫外線を浴びることができるよ。

なるほど。ちょっとした工夫ですね。
有難うございました。